2011年05月20日

『RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女』がランキングアップ

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1位:
関東大震災
おすすめ平均
吉村 昭
価格 ¥ 570
言葉にできない脅威
まだ私が幼い頃、祖母が関東大震災の話をよく聞かせてくれました。
幼い孫にどうにかして地震、そしてそれが引き起こす火事の怖さを伝えようとしていたのだと思いますが、
祖母はいつも何かもどかしさを感じていたように見えました。
本書を読み、そのもどかしさの一端が分かったような気がします。
その当時の恐ろしさ、パニック、混乱を表現できる言葉が見つからなかったのではないかと。
いくら強い言葉を並べてもその恐怖のかけらにもおっつかない、それがもどかしい素振りに出たのではないかと。
本書は関東大震災を体験された方の証言や当時の報道をもとに被害状況や社会情勢を淡々と語っています。
あまりの凄惨さにややもするとフィクションを読んでいる気になってしまうのですが、
それが現実に起きたことだと思い返すたびに溜息をつかざるを得ません。
私が本書を通し、活字から受けた脅威ですら言葉には表せません。
「被服廠跡では、逃げようとしても倒れた人が服を掴んで離さなかったんだよ」
そう語った今は亡き祖母からもう一度、話を聞きたくなりました。


2位:
夜と霧 新版
おすすめ平均
ヴィクトール・E・フランクル
価格 ¥ 1,575
真摯な解釈の結果、より原書の雰囲気に近づいた
訳者が変わり、文体がシンプルなものになると同時に、
旧版についていたアウシュビッツに関する資料がなくなった。
これは前の訳者の主観を読者に植え付ける要素が強く、著者の客観的な
姿勢に反した余計なものだと思っていた(この点で旧作は本としては
星四つ)ので、本としてソリッドに著者の意思が統一された形となった。

この本が生きるヒントを与えてくれる類の本だと受け止められたのは、
単純にナチスの非道さが記されているからではない。
凄惨な極限状況の中で人と悪魔を分けたのは、ユダヤ人とドイツ人という
人種ではなく、勝者と敗者といった立場でもない、普遍的な人間性や良識を
維持できたか否かという個人の内面の充実に答えを求めているからだ。
つまり、現在平和な状況で生きている我々も、この答えを持たないため、
少し状況が変われば獣に落ちてしまいかねない不安定な存在なのである。
自分の凄惨すぎる収容所の経験と平和な状況での混迷を真摯に同列として
扱って答えを探そうとするところに、本書が人々の心に直に響く要素が
あるのではないか?そういう原書の持つ哲学書としての真摯さを尊重
すれば、これくらい簡潔にライトな和文で記述されるのが、相当であり、
妥当な選択であるといえる。

それにしても、作品の本意に従うためとはいえ、戦争ドキュメンタリー
として秀逸な旧作にあえてメスを入れ、大幅なスリム化を施すのには
大変な勇気が要ったことだろうと思う。戦争を軽視しているなどといった
不本意な批判が起こることへの恐れもあったに違いない。しかしそれでも
原書への忠実さと、本書が持つ「普遍的な平和」への飢えの訴求力を
信じた出版社と訳者に敬意を表したい。



3位: ランキングアップ
RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女
おすすめ平均
荻原 規子
価格 ¥ 1,680
夏休みが終わり学園に戻った泉水子は、正門でふと違和感を憶える。学園祭の今年のテーマは『戦国時代』。装束の着付け講習会で急遽、戦国姫君のモデルを務めた泉水子に姫神が現れて…!


4位: ランキングアップ
市民科学者として生きる
おすすめ平均
高木 仁三郎
価格 ¥ 861
脱原発、高木仁三郎の言葉は今も輝きを失わない
市民科学者、高木さんの一生の物語です。高木さんは脱原発派の科学者でしたが2000年の10月に癌で亡くなりました。享年62歳なのですが、おそらく放射能の影響とは無縁ではないでしょう。この著書はその病床で今までの自分を振り返りながら執筆し、1999年に出版されたものです。
 高木さんは原発業界では有名な人なのですが普通はよく知らないですよね。元は原子力の研究者でありながらその技術と将来性に疑問をもち一般人の立場から原子力を評価してきた人です。現在の原子力資料情報室(CNIC)の初代代表。この業界でこのスタンスにいる人は約1%ぐらいだそうです(^^; 人間誰しも自分の研究が意味の無いものだと思いたくないし、多少の欠点は目をつぶりたくなるものです。それらを積み重ねていくとだんだん変な方向に行ってしまうものですが、現在の原子力業界が正にそれ。この著作の後に東海の臨海事故も東電の事故隠しも起きましたが、それを予言するかのような内容です。
 人としての高木さんも興味深い。癌とは死ぬとわかっていて時間があるからよい、という言い方をしています。つまりは死の準備をする時間があるということなのですが、ここまで達観して癌を捉えた人は見たことないですね。
 2002年8月に東電が事故隠しでカミングアウトしました。しかしその後の東電の態度はまさに居直りです(^^; 今を逃すと脱原発の機会は何年後にやってくるかわかりません。原発がメルトダウンすればすぐなんでしょうが(^^;
原子力資料情報室
http://www.cnic.or.jp/


5位: ランキングアップ
昭和16年夏の敗戦
おすすめ平均
猪瀬 直樹
価格 ¥ 680
文庫になって久しぶりに再読できました
本書が読みやすい文庫として再び世に出たことを、うれしく思います。



思い起こせば、小学生のころに見たテレビドラマの原作が本書だったことを知ったのが

大学生の時。



戦前の日本が、国際情勢や、国力の違い、所有している資源のストックなどを把握でき

ない状態でむやみやたらに開戦へと突き進んだわけではなく。ある程度以上の層は現状

を程度の差こそあれ把握していたという事実や、国家主導で総力戦研究所という組織に

優秀な人材を集めて、世界情勢の推移をシミュレーションをさせていたという点は非常

に興味をそそられました。



時どき思い出したかのように戦艦大和の乗組員や、特攻隊の隊員、空襲被害の市民がで

てくるTVドラマや映画を作成して戦争の記憶を風化させないのももちろん大切だとは

思いますが、このような、国の舵取りをした側の視点から作成された作品を映像化して

、後世につないでいくこともまた必要なのではないでしょうか。



さらに興味のある方は、国立国会図書館のサイトから、総力戦研究所設置ニ関スル件な

どの国会での閣議決定文書などを読むことができます。











6位: ランキングダウン
本田宗一郎夢を力に―私の履歴書
おすすめ平均
本田 宗一郎
価格 ¥ 680
本田宗一郎氏を知る一冊
一般に本田氏を取り上げた書籍は多いが、ご本人が著作されたものの中では一番内容が濃いものであると感じた。巻末の本田宗一郎語録も氏の生き方を濃厚に示す内容である。激動の戦後を子供のような無邪気さを忘れず、顧客第一というタテマエではなくホンネで通した創業者伝。藤沢武夫氏の著作と読み比べるとより面白い。


7位: ランキングアップ
ドキュメント 戦争広告代理店
おすすめ平均
高木 徹
価格 ¥ 650
時代の書
本書の作者が製作したNHKスペシャル「民族浄化」は、国際政治においていかに「PR」の役割が重要かということを知らしめる作品であり、非常に衝撃的でした。本書はそのノベライズ版かと思い何気なく手にしたのですが、その内容はテレビ放送を上回るものでした。

NHKスペシャルでは紛争の一方当事者であるセルビアが一方的に「悪」のレッテルを貼られていく過程を淡々と描いていましたが、本書ではこの「PR」戦争に携わった多くの登場人物の内面にまで踏み込んでいます。そのため、テレビ放送ではこのプロセスのえげつなさが印象的でしたが、本書ではさらに「PR」というものの重要性を軽視した者がいかに多くの対価を払わされるかという点に背筋が寒くなる思いをしました。具体的には、いち早く「PR」の重要性を悟ったボスニア側と、優れたコミュニケーターの素養を持ちながらその重要性を軽視し、「いつか誰かがわかってくれる」という甘い認識しか持ち得なかったミロシェビッチとセルビア側とのその後の未来のあまりの落差の大きさです。確かに、ボスニアからコソボへと続く一連のユーゴ紛争においてミロシェビッチおよびセルビアのとった対応は「悪」のレッテルを貼られてもやむをえない点が多々あります。しかし、ミロシェビッチ個人についてはともかく、セルビアの国民の支払わされた対価は不当に大きすぎると言えるでしょう。

翻って、国際舞台において日本はボスニアかセルビアのどちらかに属するかと考えた場合、残念なことにセルビアだと言わざるを得ないでしょう。本書でも軽く触れていましたが、政治に限らずビジネスの現場においても「いちいち言わなくてもいつか誰かがわかってくれる」というのが日本人の大多数の認識です。わたしはアメリカでしばらく暮らし、その後外国人と仕事をする機会がありましたが、彼らの「日本」に対する無知ないし誤解によって生じる不利益に直面したことは一度や二度ではありません。それを正すためにそれこそ個人で日本を「PR」をする羽目になった経験を持つ人も少なくないはずです。本書を読んで、その苦い記憶が蘇ってきました。

本書が大きな反響を呼び、読者に強い説得力を持ったのはその内容もさることながら、日本のノンフィクションにありがちな単純な善悪でこの「PR」活動を定義しなかった点にあるような気がします。もしこれをやってしまうと、それこそ批判の大きいアメリカの単純な善悪論と同じ陥穽にはまることになるからです。昨今の中韓両国との対立がいい例ですが、日本もこの「PR」戦争のまさに渦中にあります。このような事実を容赦なく突きつけ「PR」の重要性を語る本書は、出版当時以上にその時代性を増しているのではないでしょうか。



8位: ランキングダウン
長崎原爆記―被爆医師の証言
おすすめ平均
秋月 辰一郎
価格 ¥ 1,050
あっという間に読み切ってしまいました。
原発事故の今後のことが気がかりで、自然食の愛好家から、食事で、被害拡大を防いだ医師がいると聞いて購入しました。

医師の書いた本とは思えないほど、読みやすく、あっという間に、よみきりました。食事についての記述はあまり多くなかったですが、ただ、やみくもに、放射能汚染のことだけ心配することより、自宅でも対応できることがあるんだと思いよかったです。


9位: ランキングダウン
逝きし世の面影
おすすめ平均
渡辺 京二
価格 ¥ 1,995
日本人が気にとめていない日本の良さ
この本を読んで、百数十年前の日本の認識ががらりと変わりました。

著者は江戸末期から明治初期に来日した外国人識者の目から、当時の日本人にとってはあたりまえすぎて記録にならなかった庶民の生活の息づかいを浮き彫りにしています。

幸福そうな笑顔、陽気でよく笑う、礼儀正しく親切、おおらかな性、子どもが大切にされている、動物との共生、仕事や生活そのものを楽しむ。こうしたことが、ある一部の地域や階層のみのことではなく、津々浦々、庶民の最下層にまで行き渡っていたことに目を丸くします。

「逝きし世」とは、この輝きに満ちた日本文明が死すであろうことを、西欧文明を持ち込んだ当の外国人識者が、明治初期に既に予見し惜しんでいたということ。墓標として書き残さずにはいられなかったという気持ちがよくわかります。

ところが、読後感は意外に明るいものでした。外の目から見ることで、気にもとめていなかった自分の良さを発見することがありますが、ちょうどそんな感じで、私たちの体の中にまだまだ江戸人の豊かさがあることを見た様な気がします。

文庫としてはかなりボリュームがありますが、証言集みたいなものですから、章ごとに「」部分を拾い読みしていくだけでも要点はつかめます。

常識を覆す良書です。


10位: ランキングダウン
レンズが撮らえた幕末の日本
おすすめ平均
岩下 哲典
価格 ¥ 1,680
国を憂い奔走する武士の姿、生死を賭けて海外へ渡航した人びと、茅葺きの屋根が整然と立ち並ぶ宿場町、様々な職業の人たちで活気に満ちた街道の風景、そして城と城下町、湊と船など、さまざまな幕末の情景を貴重な写真で記録。


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posted by sakai at 10:13| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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実はこれって意外に知られていないんですよね
Posted by 栗をいじって at 2011年10月31日 17:15
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