2012年05月24日

『夢をかなえるゾウ』がランキングアップ

夢をかなえるゾウへジャンプ

1位: ランキングアップ
夢をかなえるゾウ
おすすめ平均
水野 敬也
価格 ¥ 1,680
こんな本、読まずしていられない
あぁ。たったいま読み終えましたが、ありとあらゆる人や物に感謝したいです。この本にも、Amazonにも、家族にも布団にも。ありがとう。
この本、かなり面白いです。笑うところも多々あります。
成功したいサラリーマン、そして成功させるためのゾウの神様。
この本に書いてあることを実際に行動に移し、完璧に行ったとしても、成功させるとは正直思いません。
でも、必ず素晴らしい人間になります。絶対です。心の底からイイ人になれます。
もしかしたらガネーシャは、イイ人になることが、何よりの成功だと教えているのかもしれません。



2位: ランキングダウン
世界史 上
おすすめ平均
ウィリアム・H. マクニール
価格 ¥ 1,400
その名の通りの「世界史」
歴史が好きな人はその歴史上の人物に魅せられることも多いと思うが、
この本はそういった人物の「個性」よりも人類の「技術」を重視することで、
世界の歴史全体を俯瞰している。
上巻では、古代史の「なぜ磨製石器」が必要になったか、
また大航海時代の「経度がわからないまま、どのように喜望峰に達したか」
が特に面白かった。何より古代史が占めるページの割合に驚く。
個人的には通史は学参ものを中心に読んでいたので、
この本のあまりに固有名詞が出て来ないことに不安になったりもしたのだが、
そういう今までの読書とは違うというのが最大の魅力だったのかもしれない。
反対に、固有名詞をたくさん覚える現状の学校教育というのは「固有名詞に理解を頼る」
という意味で「簡単な」歴史の勉強法なのかもしれない。
どちらの叙述にもメリットはあると思うが、日本で教育を受けた人には、
こういうタイプの本が刺さるのではないだろうか。



3位: ランキングダウン
世界史 下
おすすめ平均
ウィリアム・H. マクニール
価格 ¥ 1,400
(下)巻にこそ本書の意味がある・・・・
壮大な世界史を(上)(下)2巻でまとめようということだが、たった2冊でもこの本はなかなか読むのがしんどい、苦労するはず。しかし、(上)だけで済ませるわけにはいかない。もったいない。この(下)を読み終わってこそ、つまり近・現代の部分を読んでこそ、本書のいいところが分かるというものだ。
 (下)巻は西暦1500年前後から現代までだが、なんで西欧に現在にまで通じる科学の発達が起こったのか、キリスト教との軋轢はどのように解決してきたのか、社会思想への影響はどうなったのか等々の興味ある問題が出てくる。社会契約思想の発達については、西欧近代哲学の肝心要のところの概略が論じられていて、ここは精読。
(トマス・ホッブズ、ジョン・ロック、ジャン・ジャック・ルソー、イマニュエル・カント等々の考え方がコンパクトにまとめられている)
 基本的に欧米の読者を想定されているのだろう。我々が重要と思っているアメリカ独立戦争とか、フランス革命、英国の王位継承等々については非常にあっさりと書かれている。すでに欧米人は常識問題として学んでいるんだろう。半面、イスラム関係部分がとても詳しい。
 日本については、マクニール先生は秀吉の時代が気にかかるようで、聖徳太子も福沢諭吉も伊藤博文も出て来ない。 
 マクニール先生の最後の言葉が印象的だ。
「人間の行為が、人間相互や人間を取り囲む自然界にどのような影響を与えるかは、完全には予見できない。しかし、人間の計画的な行動によって、変化への道が広く開かれている未来には、すばらしい可能性と、それと同じくらい恐ろしい破滅がひそんでいる。したがって、世界史は、未知なるものへの栄光ある、挫折多き冒険であり続けるのである。」



4位: ランキングアップ
読むだけですっきりわかる日本史
おすすめ平均
後藤 武士
価格 ¥ 500
文庫本一冊で小学校から社会人までの常識を、苦痛なく網羅
文庫本一冊で小学校から社会人までの常識を、苦痛なく網羅できる、こんな本を探していました。すっかり日本の歴史は忘れちゃいました、私ですが、子供の受験用に買いましたが、子供に渡す前に私がまず読もうと思っています。
覚えるべきこどばは太字になっている事が教科書じゃないのに、わかりやすい。ああこの言葉は常識なんだあ・・OKOK知ってるって思いながら読んでいると
ああ勘違いしていたという部分が出てきたりして、
楽しく、学べ、日本人としての常識問題を歴史に対してクリアできそうな気持ちになります。
子供のときに歴史嫌いだった大人(私)や今歴史嫌いの学生、生徒が苦痛なく、物語感覚で読めますが、一気に読まないように、ゆっくり電車の中の友として読んでいます。



5位: ランキングダウン
日本人はなぜ日本のことを知らないのか
おすすめ平均
竹田 恒泰
価格 ¥ 756
自分のルーツを知ること
世界の国々の歴史を年表で見た時、他の国々は国号で表されているのに、日本だけは「○○時代」とされている事を不思議と思わなかった子供時代。 日本は古代より続く世界最古の国家だと気づいたのは、大人になってからのことだ。 その歴史を振り返った時、天皇の存在を抜きにして語ることは決して出来ない。 私の住む地の小学校では、紀元節の近辺に何故か「どんな考えも認められる世の中を」と校内集会を行う。 先生に言わせると、紀元節は「天皇を絶対的存在とした軍国主義下での言論統制の象徴というべき日」なのだそうだ。 建国記念の日が元々どんな日であったかには触れない。 このような状況で日本人であることを誇りに思うことがどうして出来ようか。 サッカー選手だった中田英寿さんが、テレビで語っていた。 「海外で暮らしていた頃、日本について聞かれる事がとても多かったにも関わらず、何も答えられない自分がいた。日本について知らないのは、自分のルーツを知らない事だ。」 数年前から日本中を行脚して、その地の伝統文化に触れているそうだ。 驚くべき行動力だが、日本にはそうまでしても知るべき魅力が満載なのだ。 そのルーツを知るのに、この本はうってつけの一冊だ。



6位: ランキングアップ
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎
おすすめ平均
ジャレド・ダイアモンド
価格 ¥ 945
気になる
著者の専門分野については、他の方の評価に同意する。
しかし、上下巻とも買って読んでみて、
十三章(下巻)で何とも納得できない点を発見したので、一部列挙する(「」は文庫版引用)。
技術の取得と放棄の例に、一六〜一七世紀の日本を取り上げておきながら、
・「日本には銃火器の受け入れに抵抗する社会的土壌」があった。
 →そんなものがあったのか? あったのなら、当時世界最大級の銃の保有数はありえない。
・銃は「一六〇〇年代以降に日本に伝来したほかのものと同様、異国で発明されたということで、所持や使用が軽蔑されるようになった。」
 →禁止はされたが、軽蔑はされていたのか? 「異国で発明された」から軽蔑というのは、
  一六〜一七世紀の日本における銃の普及を鑑みるとおかしくないか?
というもの。たった一ページの中に、何とも言えない違和感が詰め込まれている。気になる方はぜひご確認を。
できれば、この部分について解説してください。
当然、それ以上の詳しい説明や引用はない。
巻末の関連文献で、日本についてはNoel Perrin『Giving Up the Gun』(一九七九)を参照したらしい。
日本史の概説書でも読めよ……と言いたくなる。
日本のことが書かれていると序文にあって、ちょっと期待していただけに……あまりのお粗末さに衝撃を受けた。
もちろん、著者は進化生物学者であって、歴史学者ではない。
ご自身の分野であるポリネシアのことは非常に詳しいし、そこは称賛されている他の方に同意する。
だが、日本史に興味を寄せているなどとは露ほども思えない該当箇所は、その部分だけが批判されるわけではなく、
この本に書かれている他の専門外の文章に関しても、精度を疑われてしかるべきものだ、と私は思う。
これなら共著にすればよかったんじゃ……。
というか、「妻は日本人」とか書いておきながらこの体たらくなのか……。
正直、日本の部分だけは読まなくていいんじゃないだろうか。



7位: ランキングアップ
イラン人は面白すぎる!
おすすめ平均
エマミ・シュン・サラミ
価格 ¥ 798
タイトル通り面白い本
面白かった。
ラマダン中にはアニメのアンパンマンの顔にモザイクがかけられた、とか。
イラン人である著者が自らの経験に基づいて、妙な遠慮や配慮をすることなくイランやイスラムについて率直に綴っている。
こういう本は外国人(非イラン人)には書けないだろう。
タイトル通り面白い本ではあるが、「イランやイスラムに対する誤解を正したい」という真摯な思いがあるので、
単なるおちゃらけ本ではない。
著者のカダフィなどに対する意見を読んで、メディアでは中東の人たちの主張を耳にすることがあまりないので、
中東に限らず様々な国の人の、その立場・視点からの主張を聞いてみたいと思った。
それはとても有意義なことだろう。



8位: ランキングダウン
昭和16年夏の敗戦
おすすめ平均
猪瀬 直樹
価格 ¥ 680
文庫になって久しぶりに再読できました
本書が読みやすい文庫として再び世に出たことを、うれしく思います。
思い起こせば、小学生のころに見たテレビドラマの原作が本書だったことを知ったのが
大学生の時。
戦前の日本が、国際情勢や、国力の違い、所有している資源のストックなどを把握でき
ない状態でむやみやたらに開戦へと突き進んだわけではなく。ある程度以上の層は現状
を程度の差こそあれ把握していたという事実や、国家主導で総力戦研究所という組織に
優秀な人材を集めて、世界情勢の推移をシミュレーションをさせていたという点は非常
に興味をそそられました。
時どき思い出したかのように戦艦大和の乗組員や、特攻隊の隊員、空襲被害の市民がで
てくるTVドラマや映画を作成して戦争の記憶を風化させないのももちろん大切だとは
思いますが、このような、国の舵取りをした側の視点から作成された作品を映像化して
、後世につないでいくこともまた必要なのではないでしょうか。
さらに興味のある方は、国立国会図書館のサイトから、総力戦研究所設置ニ関スル件な
どの国会での閣議決定文書などを読むことができます。



9位: ランキングダウン
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎
おすすめ平均
ジャレド・ダイアモンド
価格 ¥ 945
参考文献もちゃんと収録されるようになり、単行本よりずっとよくなった!
本書は世界各地の歴史一万年以上について扱う本なので、当然あらゆる研究を著者一人がやったわけではありません。したがいまして、著者がどんな論拠でものを言っているのかがとても重要になります。原著ではもちろん、Further readings として参考文献をちゃんと挙げ、疑問点やもっと詳しく知りたい人のために便宜をはかっていました。
ところが邦訳の単行本では、その部分がばっさりカッとされており、心ある読者は激怒して、それを勝手に訳出したりもしました。その後、草思社もあわててウェブにそれを掲載したりしていましたが、本としての価値は大きく下がっていたと言わざるをえません。
この文庫本では、ありがたいことに参考文献をちゃんと巻末に載せており、本としての価値は単行本をずっと上回っています。単行本を持っている人も、こちらを改めて買って損はしないでしょう。惜しむらくは、原著2005年版から追加された、日本人の起原にかんする章と2003年版エピローグについて、訳出されていないばかりか言及すらないことです。それで本筋が大きく変わるわけではありませんが、もう少し配慮があってもよかったとは思います。ご興味のある向きは以下を参照:
「・・・」



10位: ランキングアップ
夜と霧 新版
おすすめ平均
ヴィクトール・E・フランクル
価格 ¥ 1,575
20世紀の一冊、21世紀の必読書
「20世紀を代表する一冊」の旧版とは違う訳者による新訳。

私たちはなぜ生きるのか。
この問いへの答えが今ほど切実に求められている時代はないだろう。
「夜と霧」は単なる収容所生活のレポートではない。

それは圧倒的な絶望の中で生きた人々のたどりついた
人間の最後のこころのとりでの記録である。

衣食住だけでなくすべての尊厳さえを奪われた収容所での生活。
そこでフランクルが仲間と夕日を眺め、
美しさに心奪われる場面がある。

人間はいかなる状況でも
「こころの世界」、「内面的な世界」を失うことがないということは、
心に人知れぬ悩みを抱えていた私にとっての大きな希望となり、
苦悩への答えとなった。

わたしたちがどんなに最悪の状況でも
「その状況に対する態度を決める自由」だけは決して失われない
というフランクルの言葉は
さまざまな問題を抱える今の日本に生きる私たちにとって
力強い励まし、1つの答えとなるに違いないと思う。

人間の究極の「こころの世界」をえがくこの本は
すべての人にすすめたい一冊である。





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2012年05月23日

『読むだけですっきりわかる日本史』がランキングアップ

読むだけですっきりわかる日本史へジャンプ

1位:
世界史 上
おすすめ平均
ウィリアム・H. マクニール
価格 ¥ 1,400
内容は文句なし。しかし日本語訳が・・・
文庫2冊とお手軽ですが、よくわかる○○のような類の本とは一線を画す良書。
何故国が出現し、広がり、そして滅びていったのか。通常あまり語られることのない部分がしっかり説明されています。
著者の推測に基づく記述も多いですが、どこも論理の柱はしっかりしており、歴史に対する一つの考え方として大変勉強になると思います。
いわゆる教科書的な本と合わせて読むと、より理解が深まるでしょう。
ただ、内容が濃いだけに文章そのものの読みにくさが気になります。
単語に忠実に訳そうと試みたからなのか、修飾語句や挿入的な語句の扱いにおいて機械的な訳が目立ちます。
文庫として気軽に持ち運び、より多くの人に読んでもらいたい本なだけに、もう少しかみ砕いた文章にできなかったものか。残念です。



2位:
夢をかなえるゾウ
おすすめ平均
水野 敬也
価格 ¥ 1,680
文字だけで、ここまでの仕組みを作った著者に頭が下がります。
なにか、夢をかなえようと思ったときに、いろいろな条件が揃わないとうまくいかないことがあります。それをいっぺんに解決することは難しいので、諦めてしまうことがあります。
本書で紹介しているやり方は、1日に1つだけ挑戦してみて、先に進んでいく方法です。
それも、押しつけがましく何かをやりなさい、というのではなく、心が和むような話があって、それを読んだあと、挑戦するかどうかは、読者の判断にまかされた形で、挑戦してみるとよいこと1つだけが記載してあります。
こういうやり方は、すごいなと思いました。
ここまでの内容を作り上げた著者の感覚には頭が下がります。
挿絵の象の像も、すっとぼけていていい感じですね。
緊張せずに読めるところがすばらしいと思います。



3位:
世界史 下
おすすめ平均
ウィリアム・H. マクニール
価格 ¥ 1,400
こんな世界史教科書が欲しかった
人類の誕生から最近の共産主義国家の崩壊まで、単なる事件史に陥ることなく、よくぞ過不足なく文庫本二冊で書き上げたものだと感動させられました。
しかし決して簡明な本ではない。読者自らの基礎教養のレベルも問われる部分もあり、正直わからないところも多々ありました。
希望をいえば、年表がもう少し充実しておれば、例えば別のところに出てくるヨーロッパの出来事とアジアの出来事を相互に参照しながら読むことによって、理解を助けられるような気がしました。
でも生まれて初めて人類史を俯瞰できたという満足感は味わうことが出来る素晴らしい本です。
他の方のレビューにもあるように、私ももう少し理解を深めることができるようぜひ再読したいと思ってます。



4位:
日本人はなぜ日本のことを知らないのか
おすすめ平均
竹田 恒泰
価格 ¥ 756
自分のルーツを知ること
世界の国々の歴史を年表で見た時、他の国々は国号で表されているのに、日本だけは「○○時代」とされている事を不思議と思わなかった子供時代。 日本は古代より続く世界最古の国家だと気づいたのは、大人になってからのことだ。 その歴史を振り返った時、天皇の存在を抜きにして語ることは決して出来ない。 私の住む地の小学校では、紀元節の近辺に何故か「どんな考えも認められる世の中を」と校内集会を行う。 先生に言わせると、紀元節は「天皇を絶対的存在とした軍国主義下での言論統制の象徴というべき日」なのだそうだ。 建国記念の日が元々どんな日であったかには触れない。 このような状況で日本人であることを誇りに思うことがどうして出来ようか。 サッカー選手だった中田英寿さんが、テレビで語っていた。 「海外で暮らしていた頃、日本について聞かれる事がとても多かったにも関わらず、何も答えられない自分がいた。日本について知らないのは、自分のルーツを知らない事だ。」 数年前から日本中を行脚して、その地の伝統文化に触れているそうだ。 驚くべき行動力だが、日本にはそうまでしても知るべき魅力が満載なのだ。 そのルーツを知るのに、この本はうってつけの一冊だ。



5位:
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎
おすすめ平均
ジャレド・ダイアモンド
価格 ¥ 945
特色は3つ
本書の特色は、以下の3点に要約できます。
○人類史の展開を、進化生物学、病理学、遺伝学、生物地理学、文化人類学、言語学といった広範な隣接分野の研究成果を踏まえて多角的に考察し、純粋な自然科学として歴史を探求するアプローチの有効性を検証してみせた。
○人類史の展開を、人種の優劣からではなく、環境要因が人間社会に及ぼす作用の累積の結果として捉える仮説の立証を試みた。
○人類1万3000年の歴史を「銃」「病原菌」「鉄」をキーワードに編纂し、文明の変遷を地球規模で探求する1つの壮大なストーリーに纏めてみせた。
『銃・病原菌・鉄』は、人類史をあつかっていますが、文系ではなくて理系の自然科学本です。とはいっても、読んで理解するのに特別な科学知識や素養は必要とされません。著者のJared Diamond氏がUCLAの教授であること、そして、人類史の自然科学的考察を試みていることで、ともすると学術書と思われがちですが、決してその種の無味乾燥なお堅いではありません。それではどんな本かというと、さながら学術書のように論理を緻密に組み上げ、展開するノンフィクション教養本です。
本書に記された内容は、極めて信憑性のある学術研究データに基づいて記されています。しかし、だからといって、本書を学術書とみなすのは誤解です。実際のところ、原書は、語彙においても言い回しにおいても、ノンフィクションとして楽しみ読めるように書かれています。日本人の読者もまた、邦訳を気軽に読んで、人類1万3000年の壮大な歴史ミステリーを楽しむべきではないでしょうか。
本書の魅力は何と言っても、読み進むにしたがい増幅されるスリリングな謎解きの妙です。読者は、著者Jared Diamond教授とともに時空を超えて地球を旅し、人類の文明が大陸ごとに格差ある展開をなした直接的要因を探ります。1つの謎に対する科学的な答えが、次なる謎を生み、次なる謎に対する科学的な答えが、また次なる謎を生むといった流れの中で、新たな知見と疑問の鎖を辿る謎解きの妙が次から次へと展開されます。しかもこのスリリングな謎解きは、人類社会が大陸ごとに異なる発展を遂げた究極の要因が明らかにされるまで続きます。次にどのような謎が解き明かされるのだろうかとの期待感でページが読み進み、本書が上下巻800ページ超の大書であることを時として忘れてしまうほどです。
まとめると、『『銃・病原菌・鉄』は、読み易く、その上示唆に富んだノンフィクションミステリーです。人類史という至って真面目なテーマをあつかっていますが、アメリカの大学の真面目な学者先生が書いた本とは思えぬほどワクワク、ドキドキ感満載の本です。人類史を史実や様々な分野の研究成果から科学的に解き明かそうとする本で、歴史ミステリー的に楽しめます。私の感想では、『銃・病原菌・鉄』は、膨大なフィールドリサーチと研究に基づき、人類の歴史がなぜこうも格差ある進展をとげてきたのか、という「1万3000年にわたる人類史の謎」を様々な自然科学の観点から解明しようと試みた、読んでお得な定価945円の文庫本と言えます。なお、後半部は前半部に比べ記述が中だるみ的になるところが欠点といえば欠点です。これだけボリューミーな本なので、そこに目くじらを立てる必要はないと思われますが、その分、評価は☆1つ減らさせていただきました。



6位: ランキングアップ
読むだけですっきりわかる日本史
おすすめ平均
後藤 武士
価格 ¥ 500
文庫本一冊で小学校から社会人までの常識を、苦痛なく網羅
文庫本一冊で小学校から社会人までの常識を、苦痛なく網羅できる、こんな本を探していました。すっかり日本の歴史は忘れちゃいました、私ですが、子供の受験用に買いましたが、子供に渡す前に私がまず読もうと思っています。
覚えるべきこどばは太字になっている事が教科書じゃないのに、わかりやすい。ああこの言葉は常識なんだあ・・OKOK知ってるって思いながら読んでいると
ああ勘違いしていたという部分が出てきたりして、
楽しく、学べ、日本人としての常識問題を歴史に対してクリアできそうな気持ちになります。
子供のときに歴史嫌いだった大人(私)や今歴史嫌いの学生、生徒が苦痛なく、物語感覚で読めますが、一気に読まないように、ゆっくり電車の中の友として読んでいます。



7位: ランキングアップ
昭和16年夏の敗戦
おすすめ平均
猪瀬 直樹
価格 ¥ 680
国策を決定する人間が何を考えていたのか、時を超えて知ることができる
石破茂氏が、予算委員会でこの本を紹介した。推薦書を聞かれると本書を挙げるというので、興味がわいた。
 昭和16年日本の空の下で、何が起きていたのか。鮮やかなブルーの表紙を目にすると、これから展開される話に対し、更に期待が高まった。
 描かれ方の緻密さに驚いた。徹底した取材、調査。例えば、どこにも記録されていないという東條英機陸相の発言が載せられている。総力戦研究所の研究生による「戦争に負けるというムード」の報告に対するコメントであり、「研究生それぞれの記憶の奥底にしまい込まれていたものを重ね、総合し、ほぼ正確に復元させたものである」。東條は、研究報告は机上の空論であり、戦というものは計画通りにいかない、しかし、「諸君は軽はずみに口外してはならぬ」と言い、狼狽していた。また、狼狽していた理由を、この報告が東條の考えている戦況と近いものであったからではないか、と研究生だった新聞記者の秋葉が感じていたことも示されている。
 また、昭和57年の取材時93歳だった元東條内閣企画院総裁鈴木貞一氏にも直接話を聞いている。「とにかく、僕は憂鬱だったんだよ。やるかやらんかといえば、もうやることに決まっていたようなものだった。やるためにつじつまを合わせるようになっていたんだ。僕の腹の中では戦をやるという気はないんだから」。資源課の高橋中尉が「みなが納得し合うために数字を並べたようなものだった」と述べている一文もある。
 国策を決定する人間が何を考えていたのか、多くの声を、時を超えて知ることができる。
 著者は、彼らの声を伝えるにとどまらず、それらを今に活かすメッセージを持つ。総力戦研究所の研究生は模擬内閣を組織され、真珠湾攻撃と原爆投下を除く現実の戦況とほぼ同様の結論を導く。その結論は、彼らが「タテ割り行政の閉鎖性をとりはらって集められた」偽りのない数字を使用し、真摯な討議を行った結果だ、としている。
 皆、戦いの前から日本が勝てないことを知っていた。それでも、つじつまを合わせる数字が並べられた。事実は、記録されなければ未来には残せない。本書は、当時のある一点の声を徹底的に残す貴重な資料であると共に、あらゆる局面において、正しい方向を定めるために重要な決定方法を示す必読の一冊である。



8位: ランキングダウン
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎
おすすめ平均
ジャレド・ダイアモンド
価格 ¥ 945
文明の進歩の違いは人種や民族の優劣ではなく、環境によって生じた
地球上の各地域における文明の進歩の違いは、民族間の優劣の違いによって決まったのではなく、環境によって生じたものであることを壮大なスケールで検証している大著。こちらは下巻である。
農業や畜産を元に定住社会ができたからこそ、文字や様々な発明が生まれることになった。ユーラシア大陸は横に長いので、同じ農作物が広まりやすかった。様々な文化も伝わった。しかし、他の大陸では事情が違った。
特にこの下巻では、オーストラリア大陸とニューギニア、アフリカ大陸、そして中国とその周辺国の文明発展の特徴について解説している。首長社会が国家形成へとつながったことやその条件。「必要は発明の母」ではなく「発明は必要の母」という例が歴史上は多くある。4万年前には最も進歩した人達が住んでいたオーストラリアは、乾燥しているうえに気候のバラつきが大きいことがアボリジニたちの生き方を制限することになった。ニューギニアのマラリアなどの病気がヨーロッパ人の本格的な進出の妨げになった。エスキモーは生存できても西洋文明が根付くことができなかった北極圏の厳しい自然。中国の南部と北部はかなり違うが、相互に移動が簡単で比較的早くから統一の試みがなされてきた。実はかなり多様なアフリカ大陸の人種間の移動の歴史と言語の関係。
大変見事で、一読の価値のある本である。しかし、何度も何度も同じ話が出てきて、下巻になるとちょっとくどさを感じる。ちなみに、この著者は文系出身ではなく、カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部の教授だということだ。



9位: ランキングアップ
日本の歴史をよみなおす
おすすめ平均
網野 善彦
価格 ¥ 1,260
日本の、特に中世の歴史への見方が深まる一冊
最近読んで、日本の歴史などの記述がとても面白かった本に、松岡正剛『17歳のための世界と日本の見方』(春秋社)があります。その講義の中で、「網野善彦さんのような日本歴史の研究者が、非定住型の人々を中心にした歴史観を打ち出し始めて、私はおおいに共感しています。網野さんの本は一度読んでみてください」とあって、それで本書を手にとって読んでみました。
 日本の歴史のなかで、南北朝動乱期の14世紀を境にして、文字の普及や貨幣の流通、それに伴う商業と金融のあり方が大きく転換すること。とりわけ興味を惹かれたのが、14世紀を境として「穢れ(ケガレ)」の観念が大きく変化したこと、とともに、中世の非人や河原者など被差別民たちの社会でのあり方の変遷を考察した「畏怖と賤視」の章でした。
 歴史の教科書の表面的な記述だけでは絶対にうかがい知ることのできない歴史の真の姿が、生き生きと立ち上がってくるかの如き記述。深く、幅広い歴史の暗がりへの洞察力。鮮やかに目を開かれる思いがしましたね。歴史的な絵図が多く掲載されているのも、中世の人々の様子が伝わってきて、リアルな雰囲気を出していました。
 日本の歴史のさらに深く、さらに奥へと分け入ってみたくなった時、その取っかかりとなるにはまず格好の一冊ではないでしょうか。本書を読んで、日本の歴史の暗がりを垣間見せてもらった気がしました。



10位: ランキングダウン
ブータン、これでいいのだ
おすすめ平均
御手洗 瑞子
価格 ¥ 1,470
幸せの本質とは。
ブータンの人びとと相反するように、日本人は徹底して努力家で几帳面すぎるのです。
そのため、よりベストを求めて改善につぐ改善と、職人気質でより精巧性を追求し、高品質なモノとサービスを世の中に提供し、国際的に評価が高いと言えます。
その反面、几帳面さが裏目に出て、政治・経済・社会にひとつの問題や事件が発生すると、マスメディアやインターネットを通じ、第三者観点で徹底的にあら探しをし、どんな些細なことであっても許されるべきではないと、厳しい眼差しで叩いてしまいます。
それと、アメリカ産の個人主義、成果主義がもともと日本人にはその素養があったのかもしれませんが、核化社会とともに定着しています。
ブータンが国をあげて、GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)というビジョンを掲げているところが、類のない発想であり、目の付け所がすごいところです。
著者は、日本では自分自身や家族のことという世俗的なことを神頼みするのですが、ブータンでは来世を意識し周囲の幸せを含んだ幸せゾーンが広いのだとと力説しています。
「自分だけの幸せを願ったら、自分の幸せを探し出したら、どんどん幸せから遠ざかって行くのだ」
「人のためになにか役に立つことをして、相手が幸せになるのを見ると、自分もとても大きな満足感が帰ってくるのだ」
ブータンの人びとの幸せ論は、この言葉に言い尽くされています。




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2012年05月22日

『夢をかなえるゾウ』がランキングアップ

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1位:
世界史 上
おすすめ平均
ウィリアム・H. マクニール
価格 ¥ 1,400
その名の通りの「世界史」
歴史が好きな人はその歴史上の人物に魅せられることも多いと思うが、
この本はそういった人物の「個性」よりも人類の「技術」を重視することで、
世界の歴史全体を俯瞰している。
上巻では、古代史の「なぜ磨製石器」が必要になったか、
また大航海時代の「経度がわからないまま、どのように喜望峰に達したか」
が特に面白かった。何より古代史が占めるページの割合に驚く。
個人的には通史は学参ものを中心に読んでいたので、
この本のあまりに固有名詞が出て来ないことに不安になったりもしたのだが、
そういう今までの読書とは違うというのが最大の魅力だったのかもしれない。
反対に、固有名詞をたくさん覚える現状の学校教育というのは「固有名詞に理解を頼る」
という意味で「簡単な」歴史の勉強法なのかもしれない。
どちらの叙述にもメリットはあると思うが、日本で教育を受けた人には、
こういうタイプの本が刺さるのではないだろうか。



2位: ランキングアップ
夢をかなえるゾウ
おすすめ平均
水野 敬也
価格 ¥ 1,680
こんな本、読まずしていられない
あぁ。たったいま読み終えましたが、ありとあらゆる人や物に感謝したいです。この本にも、Amazonにも、家族にも布団にも。ありがとう。
この本、かなり面白いです。笑うところも多々あります。
成功したいサラリーマン、そして成功させるためのゾウの神様。
この本に書いてあることを実際に行動に移し、完璧に行ったとしても、成功させるとは正直思いません。
でも、必ず素晴らしい人間になります。絶対です。心の底からイイ人になれます。
もしかしたらガネーシャは、イイ人になることが、何よりの成功だと教えているのかもしれません。



3位: ランキングダウン
世界史 下
おすすめ平均
ウィリアム・H. マクニール
価格 ¥ 1,400
まがりなりにも人類史を描き切る労作
本書は、著者のマクニールによって4回改訂されているようです。マクニールは引退しているそうですのでこれが最終版なのかもしれません。下巻は西暦1500以降くらいの歴史が対象であり、2001年というかなり最近まで描かれています。近代に近づくほど社会が複雑になってくるため、下巻は上巻よりつかみにくいです。エピソード的な話はほとんどないので、ほっと一息つくところはありません。全体として非常に濃密であり、濃密な歴史の海を粛々と進む本です。歴史の流れを学ぶための本というよりは、マクニール史観により歴史を解釈する本という方があたっているかもしれません。オセアニアやアフリカなど、従来、スポットライトがあたらなかった地域についても触れられており、その意味では真の「世界史」といえるかもしれません。西欧的視点からだけではなく、いろいろな地域のいろいろな時代を静かにじっくりと描いています。
 この本がおもしろいのは、単に知識がつく(知識もつきますが)ということだけではなく、「なぜかくあったのか、なぜかくあるのか、おそらくどうなっていたのか」等についてのマクニールの考え方に唸らされるらかもしれません。
 大作なので簡単に消化しきれません。いつか再読してみたい本です。



4位: ランキングアップ
日本人はなぜ日本のことを知らないのか
おすすめ平均
竹田 恒泰
価格 ¥ 756
自分のルーツを知ること
世界の国々の歴史を年表で見た時、他の国々は国号で表されているのに、日本だけは「○○時代」とされている事を不思議と思わなかった子供時代。 日本は古代より続く世界最古の国家だと気づいたのは、大人になってからのことだ。 その歴史を振り返った時、天皇の存在を抜きにして語ることは決して出来ない。 私の住む地の小学校では、紀元節の近辺に何故か「どんな考えも認められる世の中を」と校内集会を行う。 先生に言わせると、紀元節は「天皇を絶対的存在とした軍国主義下での言論統制の象徴というべき日」なのだそうだ。 建国記念の日が元々どんな日であったかには触れない。 このような状況で日本人であることを誇りに思うことがどうして出来ようか。 サッカー選手だった中田英寿さんが、テレビで語っていた。 「海外で暮らしていた頃、日本について聞かれる事がとても多かったにも関わらず、何も答えられない自分がいた。日本について知らないのは、自分のルーツを知らない事だ。」 数年前から日本中を行脚して、その地の伝統文化に触れているそうだ。 驚くべき行動力だが、日本にはそうまでしても知るべき魅力が満載なのだ。 そのルーツを知るのに、この本はうってつけの一冊だ。



5位: ランキングアップ
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎
おすすめ平均
ジャレド・ダイアモンド
価格 ¥ 945
特色は3つ
本書の特色は、以下の3点に要約できます。
○人類史の展開を、進化生物学、病理学、遺伝学、生物地理学、文化人類学、言語学といった広範な隣接分野の研究成果を踏まえて多角的に考察し、純粋な自然科学として歴史を探求するアプローチの有効性を検証してみせた。
○人類史の展開を、人種の優劣からではなく、環境要因が人間社会に及ぼす作用の累積の結果として捉える仮説の立証を試みた。
○人類1万3000年の歴史を「銃」「病原菌」「鉄」をキーワードに編纂し、文明の変遷を地球規模で探求する1つの壮大なストーリーに纏めてみせた。
『銃・病原菌・鉄』は、人類史をあつかっていますが、文系ではなくて理系の自然科学本です。とはいっても、読んで理解するのに特別な科学知識や素養は必要とされません。著者のJared Diamond氏がUCLAの教授であること、そして、人類史の自然科学的考察を試みていることで、ともすると学術書と思われがちですが、決してその種の無味乾燥なお堅いではありません。それではどんな本かというと、さながら学術書のように論理を緻密に組み上げ、展開するノンフィクション教養本です。
本書に記された内容は、極めて信憑性のある学術研究データに基づいて記されています。しかし、だからといって、本書を学術書とみなすのは誤解です。実際のところ、原書は、語彙においても言い回しにおいても、ノンフィクションとして楽しみ読めるように書かれています。日本人の読者もまた、邦訳を気軽に読んで、人類1万3000年の壮大な歴史ミステリーを楽しむべきではないでしょうか。
本書の魅力は何と言っても、読み進むにしたがい増幅されるスリリングな謎解きの妙です。読者は、著者Jared Diamond教授とともに時空を超えて地球を旅し、人類の文明が大陸ごとに格差ある展開をなした直接的要因を探ります。1つの謎に対する科学的な答えが、次なる謎を生み、次なる謎に対する科学的な答えが、また次なる謎を生むといった流れの中で、新たな知見と疑問の鎖を辿る謎解きの妙が次から次へと展開されます。しかもこのスリリングな謎解きは、人類社会が大陸ごとに異なる発展を遂げた究極の要因が明らかにされるまで続きます。次にどのような謎が解き明かされるのだろうかとの期待感でページが読み進み、本書が上下巻800ページ超の大書であることを時として忘れてしまうほどです。
まとめると、『『銃・病原菌・鉄』は、読み易く、その上示唆に富んだノンフィクションミステリーです。人類史という至って真面目なテーマをあつかっていますが、アメリカの大学の真面目な学者先生が書いた本とは思えぬほどワクワク、ドキドキ感満載の本です。人類史を史実や様々な分野の研究成果から科学的に解き明かそうとする本で、歴史ミステリー的に楽しめます。私の感想では、『銃・病原菌・鉄』は、膨大なフィールドリサーチと研究に基づき、人類の歴史がなぜこうも格差ある進展をとげてきたのか、という「1万3000年にわたる人類史の謎」を様々な自然科学の観点から解明しようと試みた、読んでお得な定価945円の文庫本と言えます。なお、後半部は前半部に比べ記述が中だるみ的になるところが欠点といえば欠点です。これだけボリューミーな本なので、そこに目くじらを立てる必要はないと思われますが、その分、評価は☆1つ減らさせていただきました。



6位: ランキングアップ
読むだけですっきりわかる日本史
おすすめ平均
後藤 武士
価格 ¥ 500
語り口が頭に入りやすい
あなどれない一冊でした。
 日本史がそれこそ、すっきりと年代ごとに頭にすりこまれた感じです。
 語り口が頭に入りやすいのでしょう。
 短い中にも丁寧に書かれていると思います。
 受験生以外の方も一読をおすすめします。



7位: ランキングダウン
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎
おすすめ平均
ジャレド・ダイアモンド
価格 ¥ 945
気になる
著者の専門分野については、他の方の評価に同意する。
しかし、上下巻とも買って読んでみて、
十三章(下巻)で何とも納得できない点を発見したので、一部列挙する(「」は文庫版引用)。
技術の取得と放棄の例に、一六〜一七世紀の日本を取り上げておきながら、
・「日本には銃火器の受け入れに抵抗する社会的土壌」があった。
 →そんなものがあったのか? あったのなら、当時世界最大級の銃の保有数はありえない。
・銃は「一六〇〇年代以降に日本に伝来したほかのものと同様、異国で発明されたということで、所持や使用が軽蔑されるようになった。」
 →禁止はされたが、軽蔑はされていたのか? 「異国で発明された」から軽蔑というのは、
  一六〜一七世紀の日本における銃の普及を鑑みるとおかしくないか?
というもの。たった一ページの中に、何とも言えない違和感が詰め込まれている。気になる方はぜひご確認を。
できれば、この部分について解説してください。
当然、それ以上の詳しい説明や引用はない。
巻末の関連文献で、日本についてはNoel Perrin『Giving Up the Gun』(一九七九)を参照したらしい。
日本史の概説書でも読めよ……と言いたくなる。
日本のことが書かれていると序文にあって、ちょっと期待していただけに……あまりのお粗末さに衝撃を受けた。
もちろん、著者は進化生物学者であって、歴史学者ではない。
ご自身の分野であるポリネシアのことは非常に詳しいし、そこは称賛されている他の方に同意する。
だが、日本史に興味を寄せているなどとは露ほども思えない該当箇所は、その部分だけが批判されるわけではなく、
この本に書かれている他の専門外の文章に関しても、精度を疑われてしかるべきものだ、と私は思う。
これなら共著にすればよかったんじゃ……。
というか、「妻は日本人」とか書いておきながらこの体たらくなのか……。
正直、日本の部分だけは読まなくていいんじゃないだろうか。



8位:
昭和16年夏の敗戦
おすすめ平均
猪瀬 直樹
価格 ¥ 680
国策を決定する人間が何を考えていたのか、時を超えて知ることができる
石破茂氏が、予算委員会でこの本を紹介した。推薦書を聞かれると本書を挙げるというので、興味がわいた。
 昭和16年日本の空の下で、何が起きていたのか。鮮やかなブルーの表紙を目にすると、これから展開される話に対し、更に期待が高まった。
 描かれ方の緻密さに驚いた。徹底した取材、調査。例えば、どこにも記録されていないという東條英機陸相の発言が載せられている。総力戦研究所の研究生による「戦争に負けるというムード」の報告に対するコメントであり、「研究生それぞれの記憶の奥底にしまい込まれていたものを重ね、総合し、ほぼ正確に復元させたものである」。東條は、研究報告は机上の空論であり、戦というものは計画通りにいかない、しかし、「諸君は軽はずみに口外してはならぬ」と言い、狼狽していた。また、狼狽していた理由を、この報告が東條の考えている戦況と近いものであったからではないか、と研究生だった新聞記者の秋葉が感じていたことも示されている。
 また、昭和57年の取材時93歳だった元東條内閣企画院総裁鈴木貞一氏にも直接話を聞いている。「とにかく、僕は憂鬱だったんだよ。やるかやらんかといえば、もうやることに決まっていたようなものだった。やるためにつじつまを合わせるようになっていたんだ。僕の腹の中では戦をやるという気はないんだから」。資源課の高橋中尉が「みなが納得し合うために数字を並べたようなものだった」と述べている一文もある。
 国策を決定する人間が何を考えていたのか、多くの声を、時を超えて知ることができる。
 著者は、彼らの声を伝えるにとどまらず、それらを今に活かすメッセージを持つ。総力戦研究所の研究生は模擬内閣を組織され、真珠湾攻撃と原爆投下を除く現実の戦況とほぼ同様の結論を導く。その結論は、彼らが「タテ割り行政の閉鎖性をとりはらって集められた」偽りのない数字を使用し、真摯な討議を行った結果だ、としている。
 皆、戦いの前から日本が勝てないことを知っていた。それでも、つじつまを合わせる数字が並べられた。事実は、記録されなければ未来には残せない。本書は、当時のある一点の声を徹底的に残す貴重な資料であると共に、あらゆる局面において、正しい方向を定めるために重要な決定方法を示す必読の一冊である。



9位: ランキングアップ
ブータン、これでいいのだ
おすすめ平均
御手洗 瑞子
価格 ¥ 1,470
ブータンって何?
ブータンって、国民総幸福量(GNH)を唱えた国だったり、国王が来日して素晴らしいスピーチをしたり、顔が猪木に似ているという噂があったり、夜ばいが健在であったりするなど、断片的で全く想像がつかない不思議な国だと思っていました。
そこで、本書を「ほぼ日」で紹介されているのを見つけて購入しました。
著者の元コンサルティング会社に勤めていた冷静な視点と、1人の女性が持つ主観的な視点がいい具合に混じって、ブータンという国が立体的に見えてきます。
読んでいてハッとしたのは、今の自分の生活がだんだんとブータン化しているのではないかと思ったこと。
日本にいてもブータンの人々のように生きられるのかもしれないとヒントをいただきました。
バカボンのパパのように「これでいいのだ」と生きたい方にぜひ読んでもらいたい1冊です。



10位: ランキングアップ
未来国家ブータン
おすすめ平均
高野 秀行
価格 ¥ 1,575
日本有数の書き手が描いたブータンの現在
高野秀行といえば「誰も行ったことのない場所に行き、誰も書いたことのないものを書く」という探検作家と、UMAハンターの二つの顔を持ち、不法入国で外国人の入れない場所に入り込み、十種類以上の現地語を巧みに操りつつ、やくたいもない現地人とのやり取りや日常風景を切り取って読者を楽しませるという、紀行文の著者としては日本最高峰の一人と言ってよいでしょう。
本作では国王夫妻の来日でメジャーな存在となったブータンが主題で、とある企業の調査員として、政府の随行員と一緒に決められた日程で薬草やフォークロアを調査するという、著者としては異色な旅となっています。
これまでの高野氏の作品の中では「ミャンマーの柳生一族」にやや近く、「柳生一族」では「娯楽的な読み物としてこれ以上のものはもう書けない」とあとがきに書いていましたが、本作で越えています。
随行員同伴の旅ではあっても道中はまさに秘境の旅。旅人を無理やりベロンベロンに酔わせまくる恐ろしい風習、ツォチャンのくだりは酒飲みが読めば爆笑確実です。
また、人びとのフォークロア=民潭を採集して紹介しているのは、著者の新境地ではないでしょうか。この本の最初に「遠野物語」の一句が挟まれているように、意識して書かれていることが分かります。
国王を中心に小さく巧妙にまとめられた国、ブータンのシステムが国内では非常にうまくいっていることを、一ヶ月の取材の中で捉えている部分はさすがと言うべきでしょうか。ブータン社会の問題点(一種のカースト制度)にも国王が自ら取り組んでいることも紹介されています。
一つだけ気になるところがあるとすれば、ブータン最大の内政問題、ネパール系住民の問題を数行でさらっと終えていることでしょうか。隣国のシッキムがインドに吸収された最大の原因であり、この国が今後存続していく上で最大の問題として、人権問題にも発展しています。
これまでワ州、カチン、クルド人など様々な少数民族と生活を共にし、詳しく描写してきた著者だけに気になりますが、政府随行の旅であることと、南部を回る余裕が無かったために仕方ないとも言えます。
次回は是非、ブータン南部の旅も期待しています。




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posted by sakai at 10:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする